【人生で一番最初に読む、ギターと音楽の教科書】vol.54『マイナーキー実践編 ~その3~ マイナーのⅡ-Ⅴでのソロプレイ1』

2019年8月28日

 

【vol.54】『マイナーキー実践編 ~その3~ マイナーのⅡ-Ⅴでのソロプレイ1』

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こんにちは、大沼です。

 

前回、前々回と、マイナーキーのツーファイブを題材に、ナチュラルマイナーとハーモニックマイナーの関係性を学んできましたね。

 

そしてそれらの概要と、知っておくべき重要なスケールポジションを覚えました。

 

と、言うことで、今回からはそれらを楽曲の中でどのように使っていくのか?、この部分を学んでいきます。

 

理論的な解説が多くなりがちですが、最終的にこれらの知識は、実際の演奏で活かしていくべきものですので、頭で理解するのと同時に、耳(聴覚)での理解も進めていきましょう。

 

ではまず、とあるコード進行の上でソロをとる、となった場合、(スケール的には)大きく分けて以下のような3つの方法論が出てきます。

(1)、その曲のキーに対する基準スケールを使う。
(※ソロの進行の中に部分転調や特殊な代理コードなどが無い場合)

 

これは単純に、例えば

Cキーの曲ならば、C メジャーペンタやC メジャースケールを使い、

Eマイナーキーの曲ならば、EマイナーペンタやEマイナースケールを使う、

と言うような、そのキーの基準スケールを使って、それ一発でソロを弾く、と言う事です。

 

(2)、それぞれのコードにあわせた、コードトーンを狙う。

これは例えば、今、学んでいるBm7(♭5)⇒E7⇒Am7 と言う進行があった場合、

Bm7(♭5)の上では、コードの構成音である、B音(root)、D音(m3rd)、F音(♭5)、A音(m7th)を狙って弾き、

・E7の上ではE音、G♯音、B音、D音、

・Am7の上ではA音、C音、E音、G音、

と、この様に、各コードの上で、それぞれのコードトーンを主に狙って弾く、と言う方法です。

(※どちらかと言えば、コードトーンを主体にメロディーを作っていく、と言うような状態になります)

 

(3)、それぞれのコードにあわせた、モードスケールを使う。

これは例えば、CキーのⅡーⅤーⅠである、Dm7⇒G7⇒CM7 と言う進行があった場合、

Dm7に対してはD ドリアン、

G7に対してはG ミクソリディアン、

CM7に対してはCアイオニアン、

と言ったように、各ダイアトニックコードに対応しているモードスケールを見てソロを弾く方法です。

 

ですがこれは、上記の例で言えば、それぞれのモードスケールの構成音は同じなので、結局、(1)のC メジャースケール一発で弾くのとそれほど変わらないですし、知識としては理解していても、実際の演奏中は、この様な事はほとんど考えていません。

 

ただ、上の例(C メジャーのⅡ-ⅤーⅠの様な単純な進行)とは違い、ソロを弾く進行の中で、部分転調や特殊な代理コードがある場合、この方法は有効になってきます。

 

例えば、今題材にしているAmキーのⅡ-Ⅴ-Ⅰ、Bm7(♭5)⇒E7⇒Am7 と言った進行の場合、Ⅴ7であるE7の部分は、Amキーの基準スケールである、Aナチュラルマイナースケール準拠のコードではありませんよね?

 

このE7は前回、Aハーモニックマイナーのダイアトニックコードからもってきている、と言う事を学びましたが、これは要するに、Bm7(♭5)⇒E7⇒Am7の中のE7の部分だけ、ハーモニックマイナー系のモードになっているわけです。

 

なので、モードスケール的に見ると、

Bm7(♭5)   ⇒Bロクリアンスケール(=Aエオリアン、Aナチュラルマイナーと構成音は同じ)

E7        ⇒EHmp5↓スケール(Aハーモニックマイナーと構成音は同じ)

Am7      ⇒Aエオリアンスケール(=Aナチュラルマイナー)

と、この様に、使うスケールを切り替える必要があります。

 

さらに、この理屈を踏まえた上で、もっと単純化すると、以下の様に使うスケールを見る事もできたりします。

Bm7(♭5)   ⇒Aナチュラルマイナースケール

E7        ⇒Aハーモニックマイナースケール

Am7      ⇒Aナチュラルマイナースケール

 

1つ前の例のように、コード1つずつに使うスケールを分けていくと結構めんどくさい感じになりがちですが、こう見ると、同トニックのナチュラルマイナーとハーモニックマイナーを切り替えるだけ、と言うことがわかりますね。

 

と、こんな感じで、それぞれのコードにモードスケールをあてていくのが、(3)の方法(ベースとする考え方)になります。

 

でも、実際にソロを弾いたり作ったりする時には、上記の方法を使い分けていくと言うよりは、その都度割合を変えながら、3つの方法を複合的に使ってフレーズを成り立たせていく事が多いです。

 

さて、ソロプレイの大まかな方法論を押さえたところで、今学んでいるAmキーのⅡ-Ⅴ-Ⅰ、Bm7(♭5)⇒E7⇒Am7に話を戻しましょう。

 

3つの方法論の部分でも少しお話ししましたが、この進行の場合、E7がAナチュラルマイナーのダイアトニックコードではないので、(1)の“そのキーの基準スケール(だけ)を使う”と言う方法は、使えないことになりますね。

(※弾く音を選んで、無理やりやろうと思えば出来ない事もないですが、その場合、結局(2)や(3)の方法を使うのとほとんど同じような状態になります。)

 

なので必然的に、(2)と(3)の方法を使う事になるのですが、今回は主に(2)の、それぞれのコードにあわせた、コードトーンを狙う、と言う方法を見ていきましょう。

 

まず、Bm7(♭5)⇒E7⇒Am7 という進行に対して、以下の様なコードフォームでヴォイシングをして行くとします

教科書54-1

 

この時、Bm7(♭5)と Am7のコード上では、AナチュラルマイナースケールやAマイナーペンタを使っても良いですし、今はコードトーンを狙うと言う話なので、この指板図を見てそれぞれのコードトーンを狙っても良いですね。

教科書54-2

 

もちろん、コードフォームの通りに○印をつけた場所だけではなく、音名が合っていればどの弦のどのフレットの場所でも、コードトーンとして使えます。

(※例えば1弦5フレットのA音を、Bm7(♭5)のm7th として見ても良いし、Am7のroot として見ても良い)

 

基本的には、その時バックで鳴っているコードのコードトーンを弾くと、音使いとしては安定したものになってきます。

 

で、問題のE7なのですが、M3rdにAナチュラルマイナースケールには含まれていないG♯音が入っていますね。

教科書54-3

そしてそれと同時に、E7(EHmp5↓スケール)の元々の拠り所である、Aハーモニックマイナースケールには含まれていないG音は使えなくなります。

教科書54-4

教科書54-5

 

これらの事を踏まえると、Bm7(♭5)⇒E7⇒Am7 と言う進行の中では、

・Bm7(♭5)と Am7のコード上では、Bm7(♭5)と Am7のコードトーンを狙うか、AマイナーペンタやAナチュラルマイナースケールを使う。

(※もしくは両アプローチを複合的に使う)

・E7のコード上では、E7のコードトーンを狙うか、AナチュラルマイナースケールのG音をG♯音に変えたもの、=Aハーモニックマイナースケール(=EHmp5↓)を使う

と言う事になりますね。

教科書54-6

そしてE7のコードトーンを狙う場合、Aナチュラルマイナーに含まれていないG♯音を狙ったり、コードトーンとして重要なB音(P5th)を狙ったりすると、Am7への解決感を強く醸し出すことが出来るのです。

(※もちろんE音やD音を使ってもOK)

 

では、それらの実例として以下の譜例を弾いてみましょう。

 

基本的に譜割りはあまり気にせずに、音を良く聴きながらゆっくり弾いてください。

 

コードをジャラーンと弾いて響きを確認した後、単音の流れを聴いていく感じです。

 

譜例、Bm7(♭5)⇒E7⇒Am7

教科書54-7

 

重要なポイントとしては、「Bm7(♭5)⇒E7」と「E7⇒Am7」のチェンジの際、G音とG♯音が切り替わった時に、響きがガラッと変わる所です。

教科書54-8

 

そしてE7のところでG♯音を弾くと、次に半音上のA音に解決したくなる、リーディング・トーン(導音)としての役割も意識しましょう。

(※導音に関しては、vol.52で学びましたね)

 

さて、と言うことで、今回は以上になります。

 

今回の内容を踏まえて、コード進行のバッキングを録音したりして、色々とソロプレイの練習をしてみてください。

 

バッキングを録るものが無かったり、作るのが面倒な場合は、上の譜例のように、

まずコードを鳴らし、その後に単音でのメロディーを弾き、
また次のコードに移って同じ事をする、

と言う、ソロギター的な練習法でも構いません。

 

それぞれのコードに対応することや、スケールの切り替えが出来る事も重要ですが、まずはマイナーのⅡ-Ⅴ-Ⅰにおけるハーモニーの切り替わりを感じてください。

 

では、次回に続きます。

 

ありがとうございました。

 

大沼

 

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