【人生で一番最初に読む、ギターと音楽の教科書】vol.50『マイナーキーことはじめ ~その2~ C メジャーとAマイナーは平行調』

2019年8月12日

 

【vol.50】『マイナーキーことはじめ ~その2~ C メジャーとAマイナーは平行調』

(テキスト全編のダウンロードはこちらのページから可能です)

 

こんにちは、大沼です。

 

前回から、マイナーキーの内容に入っていきましたね。

 

まずは、マイナーキーのそもそもの概念として、ナチュラルマイナースケールや、マイナーキー時のダイアトニックコードについて学びました。

 

それらを踏まえた上で、今回の内容は、以前から、たまーに出てきていた、

『あるメジャーキーと、あるマイナーキーの関係性』

に、ついてです。

 

両者に関係性がある事は、なんとなく知っているかと思いますが、そろそろ詳しくやっておきましょう。

 

この辺りがちゃんと理解できると、これまで覚えてきた、メジャーキー時のスケールやら、コードやら、インターバルの位置関係やらが、そのままマイナーキーの楽曲で使えます。

 

キーワードは、

『ずらして考える』

です。

 

タイトルにもあるように、例としては、いつものように、C メジャーとAマイナーの両者で見ていきます。

 

ではまず、前回のテキストに、

・C メジャースケールとAナチュラルマイナースケールの構成音は同じ

・C メジャーキーとAマイナーキーのダイアトニックコードは(出てくるものは)同じ

と言う内容がありましたね。

 

単純に考えて、C、D、E、F、G、A、B(ドレミファソラシ)の7音を使って、

・C音から始めた(tonicに見た)、C、D、E、F、G、A、B と言う音階ならば、それはC メジャースケール

・A音から始めた(tonicに見た)、A、B、C、D、E、F、G と言う音階ならば、それはAナチュラルマイナースケール

と、この様に捉える事もできます。

 

しかし、ずっとこの講座でお話ししてきたように、音楽理論、楽典を学ぶ上で重要なのは、

『(基本的には)インターバルで理解、把握していること』

なのです。

 

『メジャースケール』とは、

トニックから、全、全、半、全、全、全、半の間隔、

要するに、

tonic、M2nd、M3rd、P4th、P5th、M6th、M7thのインターバルで構成された音階

ですし、

『ナチュラルマイナースケール』とは、

トニックから、全、半、全、全、半、全、全の間隔、要するに、

tonic、M2nd、m3rd、P4th、P5th、m6th、m7thのインターバルで構成された音階

の事を指します。

 

これらを丸覚えして「ぜん、ぜん、はん~」とか、口でパッと言えなくても構いませんが、ギターの指板上では、ちょっと考えたら、それぞれのスケールを弾けたり、各音のインターバルを、ゆっくりでも良いので、言えるくらいにはなっておきましょう。

 

スケール(と言うか楽典の概念)はインターバルで把握する、と言う事がわかっていないと、先程の、

・C音から始めた、C、D、E、F、G、A、B と言う音階ならば、 それはC メジャースケール

と、言った様な知識から、

『じゃあ、ドレミファソラシ(ド)の、ミ(E音)から始めたら、それはE メジャースケールなの?』

みたいな、理解のズレが起こる可能性がありますので。

(E メジャースケールの構成音はE、F♯、G♯、A、B、C♯、D♯になりますよね?)

 

さて、では、前置きはここまでにして、本題に入っていきましょう。

 

もう耳タコなくらい書いていますが、

・C メジャースケールとAナチュラルマイナースケールの構成音
・CキーとAマイナーキーのダイアトニックコード

は、それぞれ(出てくるものは)まったく同じなわけです。

 

で、この両者と同じような関係性が、残りの全ての音(12音階の12音)を基準にした、各key とそれに対応するスケールにもあります。

 

要するに、

『構成音が全て一致する、メジャー、マイナーのkeyが1つ(1組)ずつある』

と、言う事ですね。

 

そのような関係性を持つ2つのkeyを、

『平行調(へいこうちょう)』

と、呼びます。

(※もしくは「両者は平行調の関係にある」みたいな表現をします)

 

Cキーの平行調はAmキーですし、Amキーの平行調はCキーです。

 

この、(構成音がまったく同じである、という所から来る)『平行』な関係性を、まずは捉えてください。

 

単純に、CDEFGABの7音を並べて、

C、D、E、F、G、A、B、C、D、E、F、G、A
(※C メジャーが赤字のCから緑字のCまで、Aナチュラルマイナーが緑字のAから青字のAまで)

と、この様になりますよね。

 

『平行調』と言う言葉の「平行」に関しては、上の様なイメージを持つと良いかもしれません。

 

英語では、relative (リラティブorレラティブ、「相対的な」の意)と言う単語を使って、『relative key(リラティブ・キー)』と呼ばれます。

 

なので先程の、日本語での平行調の時と同じ様に、Cキーのリラティブ・キー はAmキーで、Amキーのリラティブ・キーはCキーです。

 

これらの事から、

『CキーとAmキーはリラティブな関係性(相対的な、平行な、平行調としての関係性)にある』

と、言い表すことができますね。

 

で、私事で申し訳ないのですが、僕はこれらを最初に覚えたときに、英語の「リラティブ」の方で覚えたので、今後の講座では、日本語の「平行調」ではなく、「リラティブ」の方が、解説で多く出てくる可能性が高いです。

 

極力、わかりやすいように使い分けていくつもりですが、もし「リラティブ」に偏ってきたら、「ああ、平行調(とそれに付随する関係性)のことね」と、思ってください。

 

話が逸れました。

 

さて、ここまで来たら、もう1つ、単語とその概念を覚えてしまいましょう。

 

普通の楽曲は、メジャーキーかマイナーキーの、どちらかに設定されて作られるわけですが、基本的なアレンジ手法として、『楽曲内のどこかで、平行調に転調する』と、言うような状況があります。

 

例えば、曲のスタートからA メロ、B メロまでは、C メジャーキー的な明るい感じだけど、サビからはAmキー的に暗い雰囲気になる、と言ったような感じです。

(※もしくはその逆パターンとかもあります)

 

この手法は、正確に言うと、「転調」というよりは、『キーセンターを構成音の中で移動させている』という表現が一番近い様な気がしますが、一般的な実用レベルでは、C メジャーキーからAmキーに「平行調への転調(みたいなこと)をしている」くらいの解釈で十分です。

 

この様な場合や、もっと言ってしまえば、最初にメジャー、マイナーのどちらのキーで考えていても、その(元の)キーを把握すると同時に、平行調のキーも把握しているのがベストなのです。

(※例えば、Cキーの曲を弾いていたら、同時にその曲をAmキーの観点からも見れること)

 

これは、すぐには難しいと思いますが、リラティブ・キーの相互の関連性がわかっていると、バッキング、リードプレイのどちらにも、新しいアイディアが生まれやすくなるので、少しずつ慣れていきましょう。

(※なぜ新しいアイディアが生まれやすくなるのか?は、やっていけばわかります)

 

で、そのリラティブな関係性を表す言葉として、

・リラティブ・メジャー(Relative Major )
・リラティブ・マイナー(Relative Minor)

と言うものがあります。

 

これは意味としては、先ほどの平行調(リラティブ・キー)とほぼ同じなのですが、メジャー、マイナーのどちらかを基準とした時、もう片方の、対になっている、キーやスケールを指す時に使います。

 

具体的な例をあげると、

・『Cキーに対するリラティブ・マイナーはAmキー』

・『C メジャースケールに対するリラティブ・マイナー(のスケール)は、Aナチュラルマイナースケール』

・『Amキーに対するリラティブ・メジャーはCキー』

・『Aナチュラルマイナースケールに対するリラティブ・メジャー(のスケール)は、C メジャースケール』

と、こんな感じで使います。

 

最初に基準に考えているものが、メジャーのキーやスケールならば、反対の(平行調の)『リラティブ・マイナーは○○』

最初に基準に考えているものが、マイナーのキーやスケールならば、反対の(平行調の)『リラティブ・メジャーは○○』

と、この様に考えるのですね。

 

この、リラティブの関係性に慣れてくると、例えば、Emキーの曲を弾きながら、同時に、Gキー的にも、コード進行を捉えていたりします。(※この2つはリラティブな関係ですよね)

 

先ほど「リラティブ・キーに慣れるとアイディアが生まれやすくなる」と言いましたが、この様な状態になっていると、Emキーの曲の中で、Gキーの曲で学んだフレーズやアイディアが活かせることがあるのです。

 

なぜなら、EmキーとGキーの両キーは、基本的な構成音がまったく同じキーなので、どちらで、どちらのアイディアを使ってもOKな(可能性がある)わけです。

(※もちろん、全てのプレイが100%使えるわけではありません。その時々によります。)

 

こういった、実際のプレイやアレンジに大きく関わってくる概念なので、今回、詳しく取り上げているのですね。

 

では、理屈はこの辺りまでにしておいて、最後に、リラティブ・キーに相当する両者の関係を、ギターの指板上ではどの様に見るのか?それをやっていきましょう。

 

まず、一番わかりやすいのが、ペンタトニックスケールのフォームを元に、リラティブ・キーのトーナル・センターの位置を見る方法です。

 

例えばCキーを基準にしていた場合、リラティブ・マイナーであるAmキーのトーナル・センター、A音はこの位置になります。

 

図、C メジャーペンタ& Amペンタの重要ポジションに見る、リラティブ・キーのトーナル・センター

教科書50-1

Cキーの楽曲を演奏していて、Cキーのトーナル・センターであるC音が、6弦8フレットにあることがわかっている場合、リラティブ・マイナーのAmキーのトーナル・センター、A音はこの位置になります。

 

逆にAmキーのトーナル・センターであるA音から見たら、リラティブ・メジャーのトーナル・センターであるC音はこの位置にある、と言う事ですね。

 

CキーとAmキーのトーナル・センター(≒スケールのトニック)をインターバル的に見るならば、

・メジャーキー側から見ると、トニックである、C音の長6度上の音(tonicから見てM6thにあたる音)

が、リラティブ・マイナーのトニックで、

・マイナーキー側から見ると、トニックである、A音の短3度上の音(tonicから見てm3rdにあたる音)

が、リラティブ・メジャーのトニックになります。

教科書50-2

 

これについては、「CからみたAはM6thの距離」とした場合、対象(A音)を上の音程に見ていますが、逆に、Cから低い方にAを見ると、距離的にはm3rd(全音半、ギター的には3フレットの距離)となりますよね。

 

この、インターバルを逆方向に見れる(数えられる)ことも、実は結構重要なのですが、とりあえず最初は、対象を上(音程として高い方)に見る数え方で覚えていきましょう。

 

両者を一度に覚えるのは大変ですので。

 

上記の図は、6、5弦にそれぞれのトーナルセンターを置いた場合のものですが、実際は、こういった位置関係は全ての弦で見ることができますよね。

 

これらを覚えていれば、他の弦とのインターバルの位置関係は、色々練習している内に、自然と見えるようになってきます。

 

過去のテキストでやった、インターバル把握のトレーニングや、コードの構造などを参考に、色々と考えていくと、スムーズに理解が進むでしょう。

 

さて、色々と解説してきましたが、結局、実際のプレイの中で特に重要になってくるのは、最初に設定された楽曲のキーから見た場合の、リラティブ・メジャーorマイナーのトーナル・センター(or トニック)の位置をすぐに把握できる事です。

 

要するに、

・メジャーキーのトーナル・センター(トニック)から見た、リラティブ・マイナーのトーナル・センターとその位置

・マイナーキーのトーナル・センター(トニック)から見た、リラティブ・メジャーのトーナル・センターとその位置

この両者の位置関係がパッとわかる事ですね。

 

先ほども少しお話ししましたが、この図などを参考に、今までやったスケールトレーニングや、ダイアトニックコードの知識などとリンクさせて把握すると、早い段階で覚えられるでしょう。

教科書50-3

では、今回は以上になります。

 

ありがとうございました。

 

大沼
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